集う人々

淀君と萩の筆

当山境内には、ミヤギノハギを主流にニシキノハギ、シロバナハギ、ヤマハギ、キハギ、マルバハギ、江戸シボリ、ヤクシマハギ、それに雲南などの13種、3千株の萩が植えられています。特に「宮城野萩」といわれる種は美しい紅白の小さな花をつけ、つつましやかで可憐な萩の花が境内いっぱいに咲き誇る姿は、初秋という季節になんとも似つかわしい趣きを醸しだします。

秀吉の妻、淀君も当山の萩の花に魅せられたひとりでした。萩の季節になると、毎年舟で当時南濱にあった当山を訪れられたといいます。萩の花をこよなく愛した淀君は、切り花に適さないこの萩を、筆管として手元に置くことを思いつかれ、以後この筆で日々法華経八巻の写経に励まれました。その霊験から、 秀頼公を身ごもられたと伝えられています。 この筆は、現在でも「淀君ゆかりの萩の筆」として文人・墨客に愛用され、淀川水系が生んだ詩情景溢れる民芸品として当山の名物になっています。

淀君ゆかりの「萩の筆」と彌天一州禅師所用の文箱
淀君ゆかりの「萩の筆」と彌天一州(みてんいっしゅう)禅師所用の文箱