萩の寺について
由緒と歴史
スリランカ国「アヌラーダプラ仏舎利」迎聖
アヌラーダプラは、スリランカ国における仏教初伝の地。紀元前5世紀、セイロン史の初代王ヴィジャヤ以来、この都に君臨した王たちは皆篤く仏教に帰依し、仏塔「パゴダ・ビジタプラ」を造営して仏舎利を奉安護持しました。その後、スリランカ国は450年間にわたってボルトガル、オランダ、イギリスの植民地として支配されましたが、民族の心としての仏教を守り抜き、特に仏舎利の護持には完璧を期して来ました。
この仏舎利はその後、国際仏教興隆に生涯を捧げたスリランカの名僧でダルマ・ガヴェーシ寺院の創始者コタヘーネ・ジナランカーラ長老により同寺院に継承されました。
萩の寺は長年にわたり世界平和と国際仏教興隆を祈念して種々の人道奉仕活動を行ってきましたが、昭和63年、交流を結んできたスリランカ国よりこの真正仏舎利を奉戴する名誉を荷うこととなりました。
迎聖された仏舎利には、これを証するダルマ・ガヴェーシ寺院管長クォッテ・パンニンドォリア長老の自筆銘板が添えられており、仏舎利の請来に尽力した在大阪名誉総領事の父君コロンヴァーゲ・ティーモン・デ・コスタ氏が寄贈されました、同国で出土した宝石を散りばめた黄金舎利器の中に納められています。
平成2年、この舎利器を奉安する「仏舎利宝座」が完成し、当山十二世大晃竹甫禅師の導師により「真正仏舎利開眼祝祷会」が勤修されました。
ケラニア大寺仏足石
この仏足石は、当山と協商関係にあるスリランカのケラニア大寺(コルピティ・マヒンダ管長)より、同寺に伝わる6世紀制作の仏足石(Foot Print)を模刻し調製したものです。平成7年4月に阪神・淡路大震災により本堂全壊、その他甚大な被害を受けた萩の寺の、一日も早い復興を念じて奉納されました。縦104cm、横62cmの真鍮製で表面には金箔が張られています。仏・法・僧の三宝を象徴した蓮の花を中心に、輪廻転生を表す動植物が描かれています。仏足の周りは破壊・創造・維持を表す白象が、さらにその外側は人間の苦しみを表す蔦が取り囲み、四隅にはマーラ(悪魔)降伏の象徴である大蛇が配されています。
クォッテ・パンニンドォリア長老自筆の銘板
(翻訳)「スワスティー(永遠の健康と発展のために)お釈迦さまがお亡くなりになられた後、仏舎利は信徒がお参りできるよう世界中の数ケ所に安置されることになりました。スリランカ国はそれらの仏舎利が安置されている名誉ある国の一つです。
紀元前3世紀、アヌラーダプラ王朝の時代に作られたパゴダ「ビジタプラ」に安置されていた仏舎利は「ダルマ・ガヴェーシ寺院」の創設者コタヘーネ・ジナランカーラ長老により同寺院に継承されました。そして、今日「ダルマ・ガヴェーシ寺院」の管長クォッテ・パンニンドォリア長老は、日本国総領事サラット・デ・コスタ氏の依頼により、両国仏法興隆と友好発展のために、日本国民がお参りできますよう、ここ大阪府「萩の寺」に寄贈いたします。」
1988.09.23 スリランカ民主社会主義共和国
黄金舎利器
昭和63年当時スリランカ国在日総領事だったサラット・デ・コスタ氏の父君、コロンヴァーゲ・ティーモン・デ・コスタ氏の寄贈による黄金舎利器。
紀元前3世紀にスリランカに伝来した釈尊の右鎖骨を納めています。